2008年11月25日

さて

 某所で、個人研究をやっている傍ら、「医療の発展のために研究を手伝って欲しい」との声が掛かったんで、ぼちぼち動きます。


 研究その1として、『DV由来の被虐待児サバイバーにおける発達に関する個人研究2』『DV由来の被虐待児サバイバーにおける発達に関する個人研究3』『DV由来の被虐待児サバイバーにおける発達に関する個人研究4」の流れから、今回は愛着理論を見ていくことにしました。詳細は左のmy listingで確認してください。


 現在、社会問題の1つとして挙げられる児童虐待や育児放棄などとの関連で注目を集めているのが愛着理論で、実際の物事の成り立ちは後で説明しますが、まず始めに、その手の専門課程の学術上で認識されているあたりを見ていこうと思います。

 愛着理論についての実際の学術上の状態は、プライアとグレイサーの『愛着と愛着障害』という著書で確認する事が出来ます。本書では、「理論と証拠に基づいた理解・臨床・介入のためのガイドブック」として出版されていますが、中身を見ると、物理学の理論で見られるような、様々な根拠となるデータを示し検証が重ねられた綺麗にされた有力説といったケースではなく、細部まで吟味がなされていない状態となっているようです。

 手元には『カプラン・臨床精神医学テキスト』があるので、精神医学の専門レベルの情報は手元にあります。それによれば、医学上のデータは豊富であっても、そもそも臨床データが医学のデータに比べ少な過ぎることもあるからか、臨床系が医学寄りのものでなく心理学の系によってしまいがちにあるためか、診断基準というのも雑に作られています。そのため、医療機関では誤診などのインシデントも相当量発生してきた可能性もあるでしょう。

 まぁ、私が始めこれを調べ始めた30年前よりは進んではいるんですがね…。当時はまだまだ曖昧で酷いものでしたよ。


 『愛着臨床と子ども虐待』の著者によれば(2008年9月10日初版発行時点では)、子供虐待の問題は、子供家庭福祉の地域の中の中核を成すほど深刻な状況にあるという。子供虐待の初期対応から親子の再統合まで、かつ施設入所、里親委託の設定、フォローアップまで多方面にわたってその中核的役割を担っている児童相談所の日々の膨大な業務に追われ、職員自身の共感疲労、バーンアウトも大きな課題となっている。

 一方、虐待を受けた子どもたちへのケア、生活保障、進路選択支援など、こちらも多方面にわたって中核的役割を担っている児童福祉施設や養育家庭、養子縁組里親も、年々深刻化してきている子供たちの状況にとまどい。日々苦労の連続である、と言う。

 最近では、発達障害への対処も、現場では求められることが多く、養育者の援助技術や支援体勢が追いついていないのではないだろうか、と推測されている。

 また、発達障害を基礎とした深刻な課題を抱える子供たちの医療や、処遇こんなんな非行傾向を有していた元・非行少年および現在保護観察中の非行少年、愚犯少年への対応、逸脱性の認知行動を示す青少年などにおいては、DV環境であったのかの是非でも生じることがあり、それは遺伝形質と環境と幼児期までの育てられ方で大きく左右するが、ヒトラーがそうであったように、胎児期から幼児期まで被虐待児に至っていたもので被害者が加害者化したものであるのか、十分な認知発達が出来るだけの環境と教育を受けられずに育ったからであるもので、結果的に被虐待を受けやすくなってしまっていたのか、いずれにしても、いずれかの段階で被虐待の歴史を有するなど家族との問題を含んでいる事も多い。

 このため、家庭裁判所で取り扱っている様々な事件でも、虐待を内在させた家事事件や虐待を受けた子供たちの少年事件も大きな課題となっている。

 このような中にあって、もう一度、虐待を受けた子どもたちへの支援。援助者、及びその子どもたちを育てる養育者(ソーシャルワーカー・医師・臨床心理士・保健士・看護し・実父母やその家族・施設・機関職員・里親・保育者など)の子どもたちとの関係作りを原点から見直す必要が出てきていると言う。

 そこで重要な役割を果たすのが、愛着という理論と数多くの実証的な蓄積である。特に、愛着理論の臨床的適用である愛着臨床という領域は、日本に限らず、世界を見渡しても、まだまだ発展途上の域を出ていない(参照:プライアとグレイサーの『愛着と愛着障害』)。

 愛着に関する基礎的研究が数多く蓄積され、愛着理論が発達心理学の領域を中心としたグランド・セオリーになっているにもかかわらず、臨床領域では未だ解明されていないことが多い。

 臨床系の学説は診断基準の状態がそうであるように、やはり進んでいない。

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2008年06月11日

子を被虐待児に至らせてしまった場合の対処法

 生じた問題に対して対処する場合、まず情報収集を行うことが鉄則となる。

 このとき必要とする情報とは、全体図を把握した上で、流れを追って見て対処できるようになるようにするための情報である。

 インシデント・レスポンスについて、これに適切に対応できるようになるには、全体図を把握した上で、メカニズムをよく知ることが肝心となる。物事の成り立ちや流れがわかると、おのずと、どう対処すればよいのかが、わかるようになるのは道理である。

 一番の早道は、まず全体図を把握するように情報収集すると、スケール上で情報が整理でき、大幅の予想が付きやすくなる。その上で、メカニズムを学んでいくと、物事が理解しやすくなる。メカニズムが理解できるようになるには、この過程を踏まなければ、理解できなくなる。

 具体的な物理を理解するには、詳細を見なければならないが、そうすることによって、より精密な対処が出来るようになる。


 本ブログでは、個人研究の流れ上でマイペースで更新しているので、手が回らないということが多いかと思う。このため、問題対処の仕方で困っている方のために、取り急ぎ、参考になりそうなものを取り上げてみた。

 内容は、物理に沿ったものを取り上げているので、科学書やテキストが中心となるので、お堅いイメージがあるだろうが、自身の経験上でいえば、物事の成り立ちを解説されているもののほうが、より具体的で理解しやすいものであったため、その手のものを取り上げている。



▼ 何故、子を被虐待児に至らせてしまったのか?

 まず、最初にぶち当たるのはこのあたりかと思われる。

 自身が結果的に被虐待児に至っていたことを母に打ち明けたとき、母はこれに驚いたが、その過程の道理を説明するだけで理解を示した。母はこの手の書籍を読むことはなかったが、自身が専門書で学んだ知識を説明するするだけで十分だった。

 自分の家庭スケールの場合は、自身の成長過程の中で出ていた障害に対して母が1つ1つ対応してきたノウハウがあったので、流れを説明しただけで理解できたわけだが、父が被虐待児であったために数多くの障害を残しているというもう1つの現実というのがあるので、現在は被虐待児だった父が内在する発達障害などについて、自分の母の場合は、自分を育てることによって積み重ねたノウハウを用いて対応している。

 ノウハウを持ちえている場合には、この2冊で十分であるかと思う。

### 子供を被虐待児に至らしめた物理がわかる書籍 ###


子ども虐待という第四の発達障害 (学研のヒューマンケアブックス) 杉山 登志郎 (2007/4)

 研究結果のデータを元に、一般を対象にした、わかりやすい書籍。

胎児は知っている母親のこころ―子どもにトラウマを与えない妊娠期・出産・子育ての科学 (単行本)
 典型的な科学書であるが、出来る限りの科学データを用い、より具体的に示されている。


▼ 物理の成り立ちを知ろう

 特に物事の成り立ちを知らない人や、どうしてよいのかわからない場合には、曖昧な記述による一般書よりも、物理を具体的に説明された専門のテキストを読んだ方が理解しやすい。

 子供の成長過程については、初期ほど発達の速度が速いので、データの量からすれば、別々に情報を入手した方が詳細が得られる。基礎的な人体のメカニズムが構築されるのは幼児期までで、社会環境を学びながら発達しながら対応パターンを獲得し、性機能のシステムを構築しながら繁殖の準備が行われる、児童期から青少年期にかけては、一冊の医学専門書で補うことも可能となっている。

 下記に取り上げたものの他に、乳幼児から幼児期の発達のメカニズムを説明したものや、児童期から青少年期の発達のメカニズムを説明されたテキストを読むのも良いかと思う。

### 子供の成長過程のメカニズムがわかるテキスト ###
グラフィック乳幼児心理学
「グラフィック学習心理学」〜 行動と認知 〜
「グラフィック社会心理学」


▼ 放送大学で視聴して学ぶ手もある

 自分がよくやっていた方法だが、放送大学の講義を視聴するという手もある。講義を視聴した上で自身に有用とされる講義以外は、視聴することで新しい情報を入手しているので、殆どの人類社会科学系の知識は、視聴することで新しい情報を入手している。

 また、テキストも販売しているので、テキスト購入も可能としている。自身の場合、基礎科学の知識として、自然科学系で改定されたり新しい分野が出来た場合に購入することが多いが、新しく出来た分野が出来た場合にも購入している。自身が商業高校に通っていたことがあって知識を深めるに商業系のテキストも購入してはいる。人文学系は購入することはないが、自身の畑以外の人類社会科学系でも、例えば、新しい分野として研究されている認知行動科学などや医学などの免疫機構などが講義されているものなど、有用とされるテキストも数多く購入している。

 心理学系の知識を学ぶ場合には、人体の生理機能などの人体の構造から学習した上で学ばなければ理解が難しい。何故なら、どこからどこまでが生理現象によるもので、どこからどこまでが心因性であるものかわからないからだ。一般的に心理やパーソナリティに関わる学問だけを見る人々が多いが、人体の構造の知識を得た上で、心理学系を学ぶようにしなければ、誤った知識を持つことになるので、注意が必要である。

 役に立ちそうな関連するものをざっと下記にとりあげた。その量の多さに退いてしまうかもしれないが、このうちで、個人が知識を必要としているものを選ぶだけで十分である。

 まず、気になるものから順に取り掛かればよいかと思う。

### 現在講義されている分で参考となりそうなもの ###
放送大学 授業科目案内 基礎発達心理学('06)
放送大学 授業科目案内 発達と教育の心理学的基盤('05)
放送大学 授業科目案内 社会心理学の基礎と応用('08)
放送大学 授業科目案内 発達心理学特論('07)
放送大学 授業科目案内 家族心理学特論('06)
放送大学 授業科目案内 逸脱行動論('06)
放送大学 授業科目案内 発達障害の教育支援法('06)
放送大学 授業科目案内 生涯学習と自己実現('06)
放送大学 授業科目案内 発達障害児の心と行動('06)

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2008年06月05日

被虐待児になるとどうなるのか?

 本記事は、一度削除したデータを復刻したものに当たるが、その時はおそらく「ドメスティック・バイオレンスを受けるとどうなるか?」という題名で取り上げてきたと思う。今回は、「被虐待児になるとどうなるのか?」ということについて、その流れを追って、理解を深めて生きたいと思う。

 ここ数年で「DV(ドメスティック・バイオレンス)」は社会問題として取り上げられるようになったが、現在、ネット上で検索して調べてみると、一般的に、DVとされるものの定義について、頭をかしげる内容が多々あるが、要は、〔DVとは、心身症や、心的外傷から引き起こされるC-PTSDやトラウマなどを発生させるものにあたり、その後も、傷を深くしていきながら、数々の障害を引き起こさせるような要素を含む、ある環境内で引き起こす加害現象〕であろうと自身は認識している。

 DV問題のうち、最も問題視されているのが、〔妊娠している場合〕と、〔妊娠〕から〔生後〜乳幼児期〕の生活環境と子育ての仕方の良し悪しで、新生児は未発達のまま生まれ、およそ2年に渡って五感を駆使して二足歩行できるように体を動かすための基本的なシステムを構築するが、基本的な脳のシステムが構築されるのは〔乳幼児期〜幼児期〕の間となる。もし、この期間中に子供が生まれてくるのに望ましい環境でなければ、子にとってDV環境となり、胎児期の段階で、〔C-PTSDを筆頭とした数々の障害〕や〔トラウマ形成〕や、生後の認知発達過程で数々の障害を生むことがわかっている。

 もし、妊娠している段階で、DV環境であったならば、胎児は胎児期の段階で、〔脳・神経系の損傷〕や、〔C-PTSDを筆頭とした数々の障害〕や〔トラウマ形成〕が引き起こされ、〔認知発達障害を持った被虐待児〕として、それらの障害を内在したまま新生児として生まれ、DV環境での生後の認知発達過程で数々の障害を積み重ねながら、生きていくようになる。成人して独立後も、環境に対応して生きていくためのノウハウが獲得できない状態下で、数々の障害を持ったまま生きていくようになる。

 言葉を言い換えれば、認知発達過程では未発達のままでとどまり、生物学上では生きていく上で必要な認知行動システムが欠落した状態で、数々の障害を持ったまま成人して生きていくことになる。

 DV環境が胎児に与える影響については、典型的な科学書ではあるが、『胎児は知っている母親のこころ―子どもにトラウマを与えない妊娠期・出産・子育ての科学 (単行本) 』で、研究データの詳細が他方取り上げられている。

 胎児記憶については、研究データを婦人用にわかりやすく説明した『おなかの中から始める子育て―胎内記憶からわかるこれだけのこと 』という著書があるが、その多くが催眠法を用いたものもあるが、幼児期まで覚えている場合も取り上げられている。

 これは、恐ろしい話だと思われるかもしれないが、妊娠期にDV環境であった場合、胎児記憶を鮮明に持ったまま生まれることがある。自身がその一人で、意識下の状態で、胎児期の状態がどんなものだったのかを鮮明に覚えている。つまり、C-PTSDやトラウマが生じたことや、自己殺傷など、数々の障害を生んだものとされる鮮明な記憶があり、その時の環境の情報を鮮明に記憶しており、生まれたときにショックを受けたその時の環境など、ありのままの状態の鮮明な記憶まである。

 胎児記憶については、今回は深刻さを示す根拠が得られているものとして示すに参考に挙げたが、機会があれば、先々取りあげることになるかもしれない。

 ここでいえることは、少なくとも、ヒトが環境に対応しながら生きていく生体システムを形成する期間とされる〔妊娠期〜幼児期まで〕に、子を【生存危機状態】に曝していた場合、〔被虐待児〕と化し(被虐待児に見られる障害が内在されることから)、〔子が環境で生きていくには、致命的な数多くの障害を子に持たせてしまう〕ことや、〔そのような障害を持った子は、環境に対応できずに生きていく〕という事実が研究によって解明されている。

 では、「被虐待児になるとどうなるのか?」についての具体例はどういったものかの言えば、とてもわかりやすく具体的に説明された著書が発刊されているので、その著書を紹介する中で理解を深めていけるようにしていこうと思う。

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posted by 0≠素子 at 23:00| Comment(0) | 理解を深めるために | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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