2009年02月13日

シゾイド(統合失調質)人格障害

 シゾイド人格障害(schizoid personality disorder)の診断は、修正の社会的引きこもりを示す患者に対してなされる。対人交流における彼らの辛さ、内向性、おだやかで抑制された感情は注目に値する。

 シゾイド人格障害を持つ人は、傍目にしばしば風変わりで周囲と隔絶し、孤独に見える(* 注:統合失調質人格障害は、日本精神学界で採用されている用語である。)

### DSM-IV-TR の 301.20
  強迫性パーソナリティ障害の判断基準 ###

A. 社会的関係からの遊離、対人関係状況での感情表現の周囲の限定などの広範な様式で、成人早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。以下のうち4つ(またはそれ以上)によって示される。

(1)家族の一員であることを含めて、親密な関係を持ちたいとは思わない。またはそれを楽しく感じない。

(2)ほとんどいつも孤立した行動を選択する。

(3)他人と性体験をもつことに対する興味が、もしあったとしても、少ししかない。

(4)喜びを感じられるような活動が、もしあったとしても、少ししかない。

(5)第1度親族以外には、親しい友人または信頼できる友人がいない。

(6)他人の賞賛や批判に対して無関心に見える。

(7)情緒的な冷たさ。よそよそしさ。または平板な感情。

B. 統合失調症、「気分障害、精神病質に伴うもの」他の精神病性障害、または広汎性発達障害の経過中にのみ起こるものではなく、一般身体疾患の直接的な生理学作用によるものでもない。

注:統合失調症の発症前に基準が満たされている場合には、「病前」と付け加えられる。例:「シゾイドパーソナリティ障害(病前)」

*(「DSM-IV-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル第4版、本文改訂版」「Diagnostic and Statistical Munual of Mental Disorders, 4th edition, Text Revision : DSM-IV-TR」より転載)

 疫学によれば、シゾイド人格障害の有病率について確立された知見はないが、一般人口の7.5%程度である可能性がある。性比は知られていないが、幾つかの研究では2対1の男女比が報告されている。

 この障害を持つ人は、人と接することの殆どあるいは全くない仕事に惹かれる傾向がある。あまり多くの人と接触する必要がないように彼らの多くは日中の仕事よりも夜間の仕事を好む。

 診断においては、初回の精神化診察で、シゾイド人格障害患者は落ち着かないように見えることがある。彼らはめったに視線を合わせず、面接者は患者が一刻も早い面接終了を熱望していると感じることがある。

 彼らの感情は萎縮しているか、超然としているか、或いは不当に深刻である。しかし、敏感な臨床医はそのよそよそしい態度の下に恐怖心を認めるだろうと推測される。

 患者は気軽にくつろいでいることが難しい。ユーモアを持とうとする患者の努力は、幼稚で的外れにみえることがある。発言は的を得ているが質問下の答えは短く、自発的な会話は避ける傾向がある。

 時に、変わった隠喩のような普通ではない言葉のあやを用いてみたり、また、無生物や形而上学的構造概念に魅了されたりする。心の中に、彼らがよく知らない、あるいは永いことあっていない人と親密であるといった、妥当とは思われない感覚を持っていたりする。

 意識には障害がなく、記憶力も良い。

 シゾイド人格障害患者は冷たく、超然とした印象を与える。毎日の出来事や他者との関係で、遠く離れて沈黙を守ったり、関わり合いの欠如を示す。彼らは物静かで疎遠、陰遁的で非社交的にみえる。

 他者との感情的きずなを殆ど必要とせず、あるいは求めもせず、自分の人生を追求する。彼らが流行の変化に追随することはありそうもない。

 このような人の生活史は、他の者には耐え難いと思うほどの、競争とは無縁の孤独な仕事における孤立した興味や成功を反映する。彼らの性生活は空想にのみ存在し、成熟した性欲をうやむやにすることがある。

 親密になれないため男性は結婚しないことがある。女性は結婚を望む積極的な男性と受動的に結婚することがある。

 シゾイド人格障害をもつ人は、通常、怒りをあらわに表現することが生害できない。彼らは人間的要素が介入しない数学や天文学などに多大なエネルギーを費やすことがあったり、また、動物をなつかせるのが非常にうまかったりする。一時的に流行する減食法や健康法、思想的運動、社会改良計画などに、特に個人的な関与を要求されない場合には、しばしば夢中になる。

 シゾイド人格障害をもつ人には自己に埋没し、白昼夢に耽っているように思われるが、見当識は正常である。彼らは攻撃的行動をとることがめったにないため、大部分の脅威は、現実のものであれ想像上のものであれ、空想上の全能感または断念によって処理される。

 彼らはしばしば孤独に見える。しかし、このような人は時にまぎれもなく独創的で創造的な観念を抱き、これを発展させて世界に開示することがある。

 鑑別診断においては、統合失調症患者や失調型人格障害患者とは対照的に、シゾイド人格障害患者では統合失調症の家族歴がなく、孤独的環境下なら職業的に成功することがある。また思考障害や妄想思考を示さない点で統合失調症患者と異なる。

 妄想性人格障害患者はシゾイド人格障害患者と多くの特性を共有するが、前者は、社会とより多くの関わり、攻撃的な言語的行動に彩られた病癖、自らの感情を他者に投影する傾向の強さを示す。感情的に抑制されていても、強迫性人格障害や回避性人格障害の患者は孤独を不快なものと経験し、過去の対象関係はさらに豊かであり、それほど自閉的な夢想にふけらない。

 理論的には、失調型人格障害とシゾイド人格障害の主な鑑別点は、失調型人格障害患者の方が、認知的、思考、行動、意思疎通における奇矯さの点で統合失調症患者にさらに類似している。

 回避性人格障害患者は、孤立していても活動への参加を強く望んでいる。それはシゾイド人格障害にはない特性である。

 経過と予後においては、シゾイド人格障害の始まりは通常、小児期早期である。すべての人格障害同様、シゾイド人格障害も長期的なものであるが、必ずしも修正持続するわけではない。統合失調症に移行する患者の割合は知られていない。

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